
あまりにも久しぶりの赤毛のアン。12年ぶりとか?2024年が赤毛のアン生誕150周年。それに合わせて去年自由劇場で開幕。その後全国ツアーへ。
どこかで1回は観たいと思っていたので、嬉しい♬
名作はいつ観ても名作。ウィットに富んだ笑いと、暖かい涙ありで流石の赤毛のアン。
四季の舞台はグリーン・ゲイブルズのお家の2階の様子が、隠れたりオープンになったりする演出をしていて、これがシンプルな舞台装置ながらいい味を出してて好き。
こちら側から「見える」「見えない」の塩梅がちょうど、本を読んでいく感覚に近いのかも。
一応円盤持ってるんだけど、けっこうストーリーは忘れてるな、と。
それでも、アンが貰われてくるシーンと、マシューが亡くなるシーンは鮮明に覚えてました。(あとアイスクリームの歌も)
あのアイスの歌、めちゃくちゃ頭に残るし、なぜかカーテンコールのフィナーレにも使われているw

序盤の味わい深さ
舞台を通して、序盤のアンがカスバ―ト家の養子になるまでの流れが凄く好き。もう前半が私の中で超ハイライトのスーパークライマックス!
最近の舞台のテンポ感ってすごく早くて、情報量も多い。私も立派に現代人なので飽きなくて良いんだけど、たまにスローで濃厚な舞台をみると染みるわぁ…ってなります。
赤毛のアンも、序盤の展開は割とスローテンポでなんとも言えない味わいがある。
養子のお迎えに行ったら手違いで女の子が居て、そのおしゃべりにビックリして、返そうと思ったけど結局受け入れることにする。
これだけの流れのなかにたっぷりと取られた尺と、感情の動きがたまらないですわ。
タイトル知らんけど、馬車での歌唱シーンはアンの「養子に貰われることの嬉しさ」「創造力の爆発」「それに笑わされるマシューの心の動き」が相まって、思わずニヤける。
感動っ!
でも
ウケる!
でも
ワクワク!
でもなくて、
人の想像力に触れた時に感じる何かを搔き立てられるような面白さとホッコリがじんわり湧いてくる。
思わずクスッと笑って、心があったかくなる感じ。
他にはなかなかないんだよね~。
何か近いものかるかな…って考えてみたところ「ダディ・ロングレッグズ」とかがそうかな、って思ったので、やっぱり原作名作小説の持つ威力はデカいのかもしれない。
前に観たのが若奈さんのお転婆アンだったから、三代川さんのアンは割と落ち着いて見えたかな。
夫人ボランティアの噂話
少し大人になって観ると前とは違うシーンが印象に残ったりするけど、今回は夫人ボランティアの噂話がどうにもこうにも面白かった。
こういう人たちいるよね~~~~~~~~wwwwwwww
特に狭いコミュニティでは「ここだけの秘密」は存在しないし、「秘密は守るよ」は「最近どぉ?」と同等の会話の導入でしかないですからね。
皮肉もウィットもたっっっぷり詰まったこういうシーンが面白wと思うほどには年取ったみたい。笑
伝言ゲームが進むにつれて、情報が盛りに盛られていく様子も、まぁ~リアルでした。SNSでもこういう事が平然と起こっているんでしょうね。気を付けますw
ちなみに、去年から地元の公民館で行われている地域活性の運動教室に通い始めたうちの母親。ありえないくらいご近所情報に詳しくなってたwww
リアルwww
泣ける
笑って泣ける、劇団四季の「赤毛のアン」の「泣ける」の99.999999%を担ってるのがマシューのラストシーンでしょ。
まぁじで泣ける。
「1ダースの男の子よりアンの方がいいよ」「1ダースよりもだよ」
その追い1ダースは私に効く…。
このシーン。マシューがアンを愛していたことがひしひしと伝わってくるのに合わせて、マシュー自身がアンと暮らした生活が幸せだったんだなってじわじわ伝わってくるもんだから
泣くしか道がない…。
四季の大御所、菊池さんの演技が良いんだ、これまた。
個人的にね、よく身体辛いのに誰かのために無茶して頑張ったら死んじゃった、とか致命傷になった、みたいな話、あんまり好きじゃないんですよね。
お互いに大切なら、自分のことをもっと大事にしとけよ!って思っちゃうんですけど、マシューのこのシーンに関しては、納得しかないというか、
あぁ、アンのためにパフスリーブ買いに行けて良かったね、って。
自分がそうしたくて、アンの喜ぶ顔が見たくてそうしたんだって、そしてその時間がマシューにとってもかけがえのない幸せな時間だったんだって、押しつけ感が1ミリもなくてさ‥‥浄化作用が強すぎる。
ここから先、次に四季の赤毛のアンを観れるのが10年後でも20年後でも、マシューの手が椅子から滑り落ちる瞬間だけは鮮明に覚えてると思うなぁ。
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